ジュエリー歴史探偵34 甲府の「虫入りの水晶」(後編)

2020.05.14

草虫がムクムクと這い出し出る

甲府の水晶屋さんの草入り水晶の記事、続きです。

夫(か)の岳守産水晶に裸虫(はだかむし)含めるとをかき損じたるなりけり 
扨(さて)又惜しきことしてけりと其虫(そのむし)を手に取り見るに
忽(たちま)ちムクムクと這い出づるは愈々(いよいよ)不思議なりと
何(いづ)れも舌を巻ける事ありしが是(これ)より岳守産の含蟲珠(がんちゅうだま)に價値を持ち
(其虫の皆活けりと云うより)斯(かか)る稀ものなれば遥(はるか)に御岳山のものにも増す事ありとなん(後略)
【1892年(明治25)6月11日 読売新聞】

中の虫はみんな生きてる!

◆「岳守産の水晶を磨き損なったのはなんとも惜しかったが、
中から出て来た虫を手に取ってみるとムクムクと這い出した。なんと不思議な!
それから「岳守産の含蟲珠(がんちゅうだま)」は大評判、中の虫がみんな生きているという。
稀なサイズになれば御岳山の水晶よりも値打ちが付くこともある」
といったところでしょうか。

なかなかなトンデモニュースですが、
岳守(=竹森)が草入り水晶の名産地だったのはホントウです。
地元では「ススキ入りの水晶」ともいうそうですヨ。
ではまた!

Enjoy Japanese Jewelry
(画像:山梨県・昇仙峡)

 

(画像:山梨県・昇仙峡)

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