ジュエリー歴史探偵16 100年前のヨーロッパ・ダイヤモンドマーケット(後編)

2020.04.22

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急速に高まる明治日本の宝石需要

ヨーロッパのダイヤモンドマーケットの記事の続きです。
明治がはじまって20年、ヨーロッパの目線から見ても
「日本人はすでに欧風化」して
「宝石もものすごく好きな民族」と見られていることが伺えます。
前編はコチラ

日本貴婦人、宝石で飾る

(中略)去ればこそ朝日國(あさひくに)は既(すで)に廣(ひろ)く歐風に化したれば其(それ)が天然美麗の日本貴婦人にして
自(みづ)から飾るに寶石を以ってしたらんには西洋姉妹の煌々(こうこう)たる麗色の上に尚(か)は一層の美を増さんこと疑いなし
(訳者曰く酷(はなは)だしき撃ち方なり)(中略)和蘭白義國(オランダベルギー国)の寶石商にして其が後苑奥室には
山海の珍味を盡(つく)せる饗宴絶えざるべく之に反して日本人は其(その)欲する處(ところ)の金剛石(ダイヤモンド)、
紅寶石(こうほうせき)、碧玉(へきぎょく)、翡翠玉(ひすいぎょく)等の為(た)めに幾千萬(いくせんまん)の金銀を費やすなるべし
【1887年(明治20)1月5日 読売新聞】

日本人は宝石に莫大な金を使う

「日本ではすでにひろく欧風化しているので
もともと綺麗な日本婦人が宝石で飾ったらそりゃあ西洋のキラキラした美貌の
さらに上をいくのはアタリマエ(訳者はとんでもないお世辞だといっているが)
(中略)オランダベルギーの宝石商は財産を世界中の美味を食べ続けることに使うが、
日本人はダイヤモンド、ルビー、ジャスパー、翡翠のために膨大な財を使う」といったところでしょうか。

ほんの20年前まで刀差してチョンマゲしていた国のこの適応力。
日本人ってタクマシイ。コロナ明けのニュースタンダードの時代もきっと適応していけるはずです。
それではまた!

#Enjoy Japanese Jewelry
#STAY HOME

(画像:「新板画阿蘭陀人舩中之圖」仙寿軒 国立国会図書館所蔵)*3枚つづりの2枚目 おそらく1800年代初めの錦絵

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