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石好き日本人が詰めかける「観石会」
新型コロナによるイベント自粛が続いています。
ジュエリーフェアもミネラルフェアもポップアップショップも展示会も、平時だからこその催しだったのだなあ
わいわいと集まって見たり話したり選んだりすることは、幸せなことだったんですねえ。
必ずまたやってくるそんな日は、新たな気持ちでジュエリーに向き合えそうです。
ではでは、今回は元祖ミネラルフェアともいえるニュースをお届けします。
50日に渡る大イベント、オランダ大使も賛助
観石會(かんせきかい) 来る四月一日より日数五十日間谷中天王寺の本坊に於て観石會というを開設する筈なるが其會(そのかい)は 貴石、寶石、化石、鉱石、古硯(こけん)、古人印章、石摺(いしずり)、古碑由緒ある石類、古瓦(ふるかわら)、 盤石(ばんいし)等を始め右に関する図書類を陳列する由 其発起者は有山麓園(ありやまろくえん)、比戸楢軒(ひごいうけん) (中略)の五氏、協議員は佐藤榮中(さとうえいちゅう)(中略)の八氏、賛成員は澳國(おうこく)シーボルト氏、 大蔵省御雇キヨソテ氏を始め朝野の学士美術協會員篆刻家古筆家文芸家茶人等数十名にて 目下上の広小路に仮事務所を設け専ら開會の準備中なりという 【1890年(明治23)2月25日 読売新聞】
シーボルトの息子 ハインリヒ・フォン・シーボルト
開催期間50日!主催者側にシーボルトも名を連ねていることにご注目(澳國とはオーストリアのこと)。
おそらく、あのシーボルト(シーボルト事件で国外追放になった医師)の息子、ハインリヒ・フォン・シーボルト(1869年に初来日。この時期はたオーストリア=ハンガリー帝国公使館で書記官などを務めていた)と思われます。
錚々たる賛同者が団結したグローバルな会だったのですねえ。
#Enjoy Japanese Jewelry
(画像:「東京名所之内上野公園地桜花盛之景」広重 明治13年刊行 国立国会図書館所蔵)